珈琲

珈琲

 

私は珈琲が好きだ。

 

直球の告白文のようで気恥ずかしい。ともあれ私は日に一杯以上のコーヒーを飲む。それもブラックで。特にこだわりがあるわけではなく美味しければ何でもよい。

これは間違いなくに母の影響である。母は生粋のカフェイン中毒者であり、しかもブラック至上主義者。実家にコーヒーが切れたことはなかった。幼心に真似をしたかったあどけない私だが、ブラックコーヒーはさすがに飲めず、同じく常備されていた牛乳で割ってカフェオレにしていた。そして憧れかなってカフェイン中毒者にはなれたのだが。

しかし上京してすぐ、牛乳は足が速くひとりでは飲みきれないことが判明した。しかも毎度牛乳を買うことはしがない学生にとって財布死活問題である。しかし珈琲は飲みたい。そろそろカフェインがきれる。さてどうしたものか。

ブラックで飲めるようになればよいのだ。これは名案。早速練習しよう。結果として一冬超えたころあっさりとブラックコーヒーを飲み干すようになった。部屋には常にインスタントコーヒーが待機している。そうだ日があるうちに一杯飲もうか。

 

コーヒーを飲みつつ考える。夏になったらどうしようか。いかにしてアイスコーヒーを確保しようか。香ばしいアロマが私を満たす。